今からちょうど10年前、「デジタル遺品が危ない」という新書が話題になりました。
故人が遺したデバイス上のデータやSNSアカウントやサブスクサービスなど、パスワードが解除できなかったり契約情報を知らずに放置したりすることで起こる、予期せぬ費用の発生やデータ漏えいといったトラブルの危険性と対策を紹介した本です。情報系番組で特集が組まれるなど、「デジタル終活」がちょっとしたブームになりました。
私も大いに影響を受け、急いで自分のデジタル情報をリストアップして手帳の後ろに書きつけました。3年前には「パスワード管理ノート」を導入し、インターネットバンキングや証券口座、オンラインショップの登録情報などもまとめて一括管理することに▽
「紙からデジタル」の流れは10年間で加速度的に進み、学校がポータルサイトを導入したことを契機に子供たちの学校からの配布物も一気に減りました。模試や英検の申し込みもウェブからログインなのだもの…。各種申請や支払いがスマホ一つで完結できるようになり、利便性が向上する一方で爆増していくアカウント。「いつ、なにを登録したか」を逐一記憶しておくのは困難なので、どこかに記録して管理する必要があります。
そしてデジタル全盛時代といえど、今のところ一番確実で情報漏洩のリスクが少ないアカウント&パスワード管理の方法は「紙で一元管理」だと思っています。
パスワード管理ノートを導入してから丸3年。
このほど、ノートを新しいものに交換しました▽

100円ショップで買った、ちいかわのメモ帳です。
使わなくなったオンラインショップやサブスクのアカウント、サイト自体がなくなったものなど、3年も経つとやはり情報は古くなっています。
数年間放置していたアカウントはログイン情報を確認したりパスワードを変更したり、2時間ほどかけてデジタルデータを整理。必要な情報だけを新しいノートに書き写しました。
3分の1くらいは「死蔵アカウント」になっていたので、もう使わないだろうサービスのアカウントは思い切って削除しました。
新しいノート(というかメモ帳)は、旧ノートと比べてだいぶ小さいサイズ。
それでも必要な情報だけを厳選して移行したので、容量的には十分です。
あとは、重要な情報が詰まったこのノートを紛失しないよう、家庭内で厳重に管理するだけ…▽

旧ノートの表紙には使い終わりを意味する「〆」の字を書いて、シュレッダーへ。
日々、増えていくサービスのアカウント。ライフスタイルの変化とともに、使わなくなるデータもあります。登録して放置すれば、「不要なデータ」が溢れか得ることに。やはり、持ち物と同じで定期的に「要不要のチェック」を行い、不要なものは削除して整理整頓する必要があると実感しました。
デジタルデータなので、家具や衣類のように「体積や質量」が減るわけではありません。
だけど、通常の片付けと同じように「自分の現在地(持ち物の総量)」を把握して、不要なものをきちんと外に出すサイクルは精神衛生の向上につながります。
私も約2時間のデジタルデータ整理を終えて、なんだか気持ちが軽くなった感じがします。
今後も3年に1回くらいの頻度で「デジタル情報の棚卸し」を続けていきたいと思います。
地味な作業ですが確実に達成感が得られるデジタルデータ整理。年末年始の「やることリスト」に加えてもいいかもしれません。