収納しないブログ

持ち物を減らして収納術不要の暮らしを目指しています

2025-01-01から1年間の記事一覧

健全な孤独のススメと、「言語化ありがとう」の欺瞞について。

各種SNSのコメント欄や引用リポストで、世論を二分するようなホットな話題についてのインフルエンサーの発言に対して「さすがの言語化です!」「まさに私が感じていたモヤモヤを的確に言語化してくださり感謝!」といった手放しの称賛を与えるフォロワーの方…

持ち物を減らすこと自体が目的になったら、ミニマリストはつまらないよね。

不必要なモノに溢れた住まいを忌避し、「足るを知る」を心に刻んで普通の日々を紡ぐ、わたしたち。 ミニマリスト過多とかオワコンとか言われて久しいですが、ミニマルライフは民主主義下で無数に存在するライフスタイルの選択肢の一つにすぎません。 高価な…

「好きセンサー」を鈍らせない、という強い決意について。

4月の初めに、数年来使っていたお気に入りのブックカバーが破れてしまいました。 新しいものを買おうと思っていたのですが、なかなか気に入るものが見つからずに気づけば5ヶ月ほどが経過していたんだとさ▽ yuringo738.hatenablog.com 消耗品以外の、しばら…

毎朝適度に化粧して、世界平和を祈りながら腹八分目と睡眠を愛そう。

3年前、不惑を2年後に控えた37歳の夏にアップしたエントリで「いい感じの40代」の条件を記していました▽ yuringo738.hatenablog.com これがなかなか上等にマトを射ていて、実際に40歳を迎えたいまも手帳に書いて指針にしている次第。 リマインドを兼ねて改…

40歳。「無理しない」という選択肢もある。

夏の初めに、都内で働く大学時代の友人から「会社を辞めることにした」とLINEが届きました。彼女の勤務先は、わりとかための老舗企業。福利厚生も手厚く、年収も比較的高いはず。新卒で就職し、40歳まで勤め続けた会社を辞める決断に至った理由を訪ねると、…

はてなブログ5年半。「思考のショーケース」が、ほしくなった話。

私の家の、白い壁。漆喰の塗り壁。 新築してから10年が過ぎ、ところどころ手垢がついて黒くなったり、小さい擦過傷ができたりしているけれど、それも味わい。 今月の初め、思い立ってnoteを始めました。 ヘッダーに据えたのが、この漆喰の壁。白は白であって…

今日も友だちと呼べる人は少なくて、私は健やかでコーヒーはアイス。

自分で申告するものなんだが私は人間関係のトラブルが少ない。よって人間関係のストレスもあまりない。実生活で私と関わりのある同僚知人隣人などからは「静かで無害な人」という印象を持たれていると自負している。 「それは友だちと呼べる人の数が少ないか…

「ちゃんと休む」は権利じゃなくて義務だよね

月がきれいですね。なかなか暮れない夏の夕暮れに浮かぶしろい月がきれいでしたね。 空に浮かぶ架線は中学生が使う英語ノートのベースラインにも似ていますね 仕事や趣味、交友関係。強く興味を惹かれたり、あるいは社会動物としての義務感から、過剰になに…

遠い場所で、ひとりで食べる朝ご飯の話。

再び泊まりがけの出張でした。 今日の朝ご飯は宿泊先のホテルのバイキング。炊きたてご飯から味噌汁、納豆、焼き魚、卵続き、クロワッサン、シリアル、コンソメスープ、ベーコン、ハッシュドポテト、サラダにフルーツ、デザートまで。和洋中、さまざまな主食…

バランスなんか取らなくていいし、中立でいる必要もありません。

職場の近くに、「女性一人でも気軽に入れるオシャレな内装」が売りの混ぜ麺専門店が新しくオープンしました。 熱々の細麺とタレが入ったどんぶりに、卓上のラー油と酢をかけて混ぜて食べる簡素なメニュー。具材は至ってシンプルですが、だしの風味が効いた特…

下を向いて歩こう。

上見て暮らすな、下見て暮らせ。 幸福度を他者との比較で測るのならば、己より不幸そうな人を基準値にして相対的な幸福感をしみじみ噛み締めて卑小な生を全うするのが苦のない生き方かもしれませんね。 そして私はできるだけ苦痛少なく卑小な生を平穏に全う…

「お花のサブスク」休止の決断。

3月半ばにスタートして、約3ヶ月間大いに活用させてもらった「お花のサブスクサービス」を、いったん休止することにしました。 「お花のサブスク」は花屋さんに専用の花瓶を持って行くと、毎日2〜3種の切り花を受け取れる定額サービスです▽ yuringo738.h…

「母娘でパジャマの制服化」からの完全撤退、あるいは前向きな方向転換について。

試行錯誤を経ての撤退の決断を、挫折じゃなくて方向転換と呼びたい。 このほど、私と娘ふたりの夏のパジャマを一斉取り返しました▽ GUのラウンジセット。同じシリーズで色柄&サイズ違いを3セットずつ。 2年前の買い替え時には、色柄が全く同じユニクロの…

「嫌われ者」のモチベーション維持に興味がある話。

昔から、「ばいきんまん」の行動原理が不思議でたまりませんでした。 アンパンマンシリーズに登場する重要な敵役。私利私欲で動くばいきんまんは、自己犠牲と利他の象徴であるアンパンマンと相対関係にあります。 物語の発端となるトラブルを幾度となく引き…

「全部は手に負えない」という前提で世界を見たい。

帰宅したらリビングに、思春期の終わりが見え始めた中3娘が寝転がっていました。「足痩せしてるの!」と言いながら天井に向かって両脚をまっすぐに突き上げ、付け根からパカっと広げたりピタッと閉じたりを繰り返していて、自分以外の他者がいる暮らしって…

「持ち物を数えること」が孕む危険性について。

大学2年のころ、炭水化物と脂質を一切摂取しない過激ダイエットに没頭して月経が止まってしまった経験があります。日毎に体重が減っていくのが愉楽になっていて、空腹が苦にならない「ダイエット・ハイ」の異常な心理状態でした。 月経が止まり末端冷え性が…

片付けるのを、やめましょう。

片付けブログを開設して5年半。古今東西、量販店に並ぶ大量の収納グッズ便利グッズの類を眺めながら嘆息する日々です。 私の中では、一つの結論が導き出されつつあります。 結論。それは「片付けなんて、やめちゃいな」ということ。 片付けブログを自称して…

【ミニマルクローゼット考】コスパを超える価値観のこと。

5年前にはてなで「収納しないブログ」を開設した当初、こんなエントリをアップしていました▽ yuringo738.hatenablog.com 当時はワードローブの管理に、洋服の購入価格を着用回数で割った「着用単価」という考え方を導入していました。「着用単価」は「洋服…

「明日なに着る?」で悩まない、気楽なクローゼットを希望します。

6月半ばですが既にクローゼットは真夏仕様。 仕事用に揃えた今年の夏トップス6枚▽ 三つのブランドのカットソー、同じ型で色違い(黒と白系)で2枚ずつ。 奥からソージュの半袖カットソー黒&白、ジャーナルスタンダードの黒&ライトグレー、FRAY I.Dのノ…

親の家を、片付けない。

あらゆるものへの期待を捨てると家は自動的に片付く、という楽観的な仮説を立てています。 そしてしみじみと物量が過多な状態にある老親が暮らす実家を、もはや諦めの境地で眺めている娘の私です。 どうして彼らはゴミ同然の古びた鍋、及びそれに類する不用…

誠実な嘘を、歓迎します。

海の向こうで戦争が始まりかけていて、きょうは17年目の結婚記念日。 私のうっすらした好意の遍歴は過去記事どうぞ▽ yuringo738.hatenablog.com 私と夫は12歳の時に出会って15歳で交際を始めて23歳で結婚したので28年の付き合いになります。他者と婚姻関係を…

「嫌悪」に至らないための適切な距離感について。

できればあんまり労働したくない怠惰な人生なんだけど時と場合によってはヤル気を出して土曜日も出勤です。オフィスの近くの川辺のベンチ。家族連れで賑わう河川敷でひとり、おにぎりを食べる四十路女。 花など植えてあるのでをかし 湿気った海苔は噛み切る…

「救いのなさ」こそが救いかもしれない。

私は、ぼっちランチを愛する者。今日は少し時間をずらして人が少ない時間帯に昼休みを取り、川辺のベンチでおにぎりを食べました。 見上げた空に、緑が揺れる午後。 平和。 青い空を見上げて思い出すのは、昨夜のニュース。 インド西部グジャラード州アーメ…

「尊敬できない大人」をちゃんと軽蔑する、という処世術について。

駅ビルに売ってる6月の和菓子が引き続きめためた可愛いから全部買ってきた 菓銘は左から「四ひら(よひら)」「紫陽花(あじさい)」「鉄線(てっせん)」 ふだんは酒のつまみを盛る小分け皿に嬉々として並べていたところ、またバスケ部所属の中3娘がやっ…

あなたのヤル気に、脱帽です。

駅ビルで売ってた6月の和菓子が可愛すぎるから見て▽ 菓銘は「さくらんぼ」 赤い練切製で、中はこしあん。松葉でサクランボの枝を模しています。 「わざわざ餡でサクランボをかたどるくらいなら、本物のサクランボを食べればいいじゃないか」…なんて風情のな…

「思ってたんと違う」への、穏やかな対処法について。

公園の誘蛾灯に集まる昆虫、 夜の海で漁り火に引き寄せられる魚。 光の方へ引き寄せられる習性を持つ彼ら。夜が明け、光だと認識していたものが単なるプラスチックの棒だと気づいたとしても、昆虫及び海の魚たちは、その光らない棒に対して「光だと思ってい…

あんぱんまん、辛かろな。

地方都市のオフィス街。ランチタイムのミスタードーナツは他人の卑近な噂話で溢れているので好き。 ぼっちランチ上等の私はあえて、買い物帰りと思われる喧しいマダム3人組の隣に席を取ります。 「因果応報だよ。他人のものを取ったら、やっぱり罰が待って…

凡庸で貪欲な私たちの、心の拠り所になりうるのかもしれない。

ふるびた墓石には蜘蛛が巣をはり、透明な糸にからまった雨粒がサンキャッチャーのように木漏れ日を弾いていました。 福島市内にある巨大な共同墓地。このほど、〝伝説のサブカル誌“BUBKAの創刊編集長で、昨年5月に60歳で亡くなった寺島知裕さんのお墓参りに…

それは余白が生む自由。

著名な経営学者ピーター・ドラッカーの「コップの水理論」。コップに半分の水が入っているという事実に対して、「半分入っている」という認識から「半分、空っぽである」という認識に変わったときにイノベーションが生まれる、というあれです。 「これしかな…

自己憐憫緩和装置としての有塩バターについて。

嬉しい! 激推し小説の一つ柚木麻子さんの長編「BUTTER」(新潮社)が、英国推理作家協会のダガー賞(翻訳小説部門)の最終候補に選ばれたとのニュースが飛び込んできました。news.yahoo.co.jp 作品のモチーフとなっているのは、首都圏連続不審死事件の木嶋…