おしゃれで明るい人気者、いつも回りにはたくさんの人が集まってくる。私も、本当は気になっている、あの子。できることなら声をかけて仲良くなりたい。今日こそは…一念発起して近くに寄ってみるけれど、やっぱりあとちょっとの勇気が出ない。
見つめるだけの、憧れの存在…。
あ、はい。
輸入食品のお店「カルディコーヒーファーム」の話です。
私の生活圏内にあるショッピングセンターにも、ほとんどテナントが入っている。
天井まで届くいろとりどりの食料品…酒の瓶…缶詰…パッケージは、いずれもオシャレ…にぎやかな雰囲気で、店内はいつもお客さんでにぎわっている。
私は、そんな様子を横目で見ながら通り過ぎる…
店内に入ってみたい…でも、やっぱり通り過ぎる…
私にとってカルディコーヒーファームは
「何を売っているのか、いまいち分からない店」…
かつて一念発起して店に足を踏み入れ、韓国のインスタントラーメン(鍋で煮るタイプ)を買ってみたことがあった…作り方を間違えたのか…それとも、もともとそういう味なのか…食べたらひどく、辛かった…びっくりするほど、辛かった…。
そんな出来事が、いまだに心の傷となっている…
あのオシャレな食品群のなかには、きっと私が食べたことのない素敵な食味のお菓子や缶詰やお酒やおつまみや鍋スープが眠っていることだろう…けれども…何を買っていいのか…分からない…
そんな存在…カルディコーヒーファーム…
こんな風にカルディに警戒感を抱いてしまう背景には
日々、ミニマルな生活を目指していることに起因する
買い物に対する極端な保守志向があると、私は分析する。
いつものスーパーが、やっぱり落ち着く…
味の想像がつかないオシャレパッケージの食品を買う勇気がない…
そして私はきょうもあの魅惑的な店を横目で見ながら通り過ぎます。
そんな、木曜日。今日は午後から出勤。行ってきます。