カフェにレストランにバーに、外食をこよなく愛している私です。家の外で食べる、プロが作った美味しいごはん大好き。外食なくして私の人生は語れません。10代、20代の頃は「新しくオープンしたお店」やら「初めて入るお店」やらを開拓するのが楽しかったナァ…。
などと遠い昔のように思い出す私。
37歳になった今はもっぱら「確実に美味しくてサービスも良い、行きつけの店」に繰り返し通う日々です。
なんだかね。あれやこれやと飲食店特に「新しくオープンした店」に入るのが億劫になっちゃったんだよね。
「新しい店」に入って「ハズレる」ことが続いたからかもしれない。
特に「内装がやたらとオシャレな、価格帯がちょっと高めのダイニング」が危険と思っている…。
往々にしてトイレが無駄にデコラティブだったりする。
店員さんが不慣れで舌足らずのしゃべり方だったりする。
椅子がゴツゴツして座りにくかったりする。
タウン誌のお店紹介の写真ではすんごく美味しそうに見えた生ハムの盛り合わせが、実際注文してみたらかなーりしょぼくてがっかりだったりする。
エトセトラ、エトセトラ。
歳を重ね、経験を積み、絶対安心領域ともいえる「定番の飲食店」が定まりつつある。
好きな洋服のブランドが定まるように、
好きなインテリアのテイストが定まるように、
在りたい自分の姿が定まるように、
少しずつ少しずつ、自分にとって居心地の良い飲食店が定まってくる。
愛すべき地元の老舗パスタ店「R」。
夫婦2人で運営しているため来店するたび「お料理の提供にかなり時間がかかります」と念を押される。そして実際、提供まで40分くらい時間がかかる。
店は清潔に保たれているけれども建物自体は相当、古い。壁紙はところどころ剥げており家具も年季が入っている。だけれどテーブルクロスはぴんとアイロンがかかっているところが好き。そして丁寧に調理され供される熱々のパスタはどれもこれも全部確実においしい。サラダにかかった自家製ドレッシングも格別においしい。
「R」よりも安くて、店構えがオシャレな店はたくさんある。
でも、私は「R」が好き。カルボナーラが1800円もする、店員の愛想は決して良くないけれどもテーブルクロスが清潔な「R」が好き。
いまは、新しい店をあれこれ開拓して回るより、確実においしくて心地よいひと時が過ごせる「定番の店」を選びたい。
そんな、37歳の秋。
美しく盛り付けられたプロの料理は、果てしなく正義だと思うの。