ピッチを上げて、日本全体で「上手に縮む」取り組みを進めることが大事だと思うの…
埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没し、トラックが転落した事故。
周辺市町村では下水道の利用自粛が呼びかけられ、一部地域ではネットが使えないなど広範囲に影響が及んでいます。
事故の原因は、陥没した県道の約10メートル下にある下水道管の破損が原因との見方が強まっています。
今回の下水道管は、1983年の供用開始から40年以上が経過していたとのこと。県の点検では異常が確認されておらず、事前の察知は難しいとの報道もありました。
このインフラの老朽化、今後は加速度的に全国各地で社会問題になっていくと予想されます。
下水道管の一般的な耐用年数は50年といわれています。高度経済成長期以降に一気に整備された下水道管の老朽化が、これからますます進んでいきます。
点検、修繕には莫大な手間と費用がかかります。少子高齢化で補修を担う技術者も減っています。下水道管だけではありません。人命に関わる道路や橋梁、トンネルといった交通インフラも、同じ問題を抱えています。
人口が減る中、人口が右肩上がりで増えていった時代と同規模のインフラを、同程度の水準で維持することは現実的ではないでしょう。
極端な例を挙げるなら、同一地域で川にかかる橋が3本あるなら「最も交通量が多い橋を残して、2本を減らす」といったインフラの取捨選択も必要になってくるでしょう。
地域住民からの反対も予想されますが、「すべてを中途半端に残して、すべてを失う」よりも、多少の利便性の減少は受け入れて「安全なインフラの維持」を最優先に資源を集中投下することが全体の利益になると考えます。
「インフラの取捨選択」そして「資源の集中投下」によって、縮む日本で幸せに豊かに暮らすことは可能だと思うの▽
今回の八潮市の事故を機に、「インフラの点検・補修」への関心は再び高まっていくことが予想されます。対策は待ったなし。