手持ちの辞書(チャレンジ小学国語辞典カラー版第二版)で「孤独」を引くと「味方や友だちがなく、ひとりぼっちであること」と出てきます。
人との交流が著しく乏しい状態を指す「社会的な孤独」は、自殺や犯罪にもつながる深刻な社会問題です。
でも一方で、「ちゃんと孤独」であることは、大人にとってとても大事な要素です。
「ちゃんと孤独」な状態とは、何を指すのでしょうか。
私は、「言葉は通じないものであること」と「他者を完全に理解することは不可能だし、他者から完全に理解してもらうことは不可能であること」を納得している状態だと考えます。
なるべく誠実に、自身を「ちゃんと孤独」な状態に整えておけば、言葉の通じなさと誤解と衝突と拒絶に絶望したり摩耗したりせずに、理解できない他者の言動を面白いと思えるし、一緒に楽しい時間を過ごせる気がするから。そして、なるべく誠実に「ちゃんと孤独」な状態を保って他者と接していれば、「死に至る孤独」に陥る危険性もある程度は減らせるように思うから。
言葉が通じないことをちゃんと理解していて、本当の意味でお互いに理解し合うことは100年対話を続けてもムリーであることもちゃんと理解していて、でも一緒にお酒を飲んで笑い合うことができる「ちゃんと孤独」な人が好き。
「ちゃんと孤独」というのは、自立している、と言い換えられるかもしれません。
このほど40歳になりました。
できれば死ぬまで上等なひとりぼっちを目指していたいと思うし、言葉の通じなさに絶望することなくたまに一緒にお酒を飲みに行ける、ちゃんと孤独な友だちが少しいる人生がほしいと思います。
明日も愉快な人生を〜