お金のかからない暇つぶし、それはマン・ウォッチング。
ミスタードーナツの路面店で優雅にぼっちランチを楽しんでいたら、お馴染みの「なんか変!センサー」が発動しました。
大通りに面したカウンター席で、愛するポン・デ・リング(黒糖)を頬張りながら窓の外を眺めていたアタイ。そこを通り過ぎていった、推定50代後半の女性。の、コーディネートが「なんか、変!」
いえ…一つ一つのアイテムは至って普通なのです。
膝下丈のコートを羽織り、首には柔らかそうなストールを巻いて、コートの裾から覗くニット素材のスカートに、足元はタイツとくるぶし丈のブーツを合わせ、肩に小ぶりのトートバッグを掛けています。
一見すると、お洒落なマダム風の装い。
私の中の「なんか、変」センサーの解像度を上げていくと、違和感の原因は「配色」にあるのでした。
黄色がかったクリーム色のコートに、ストールはくすんだヘーゼルナッツ色。
ニットスカートは赤みの入ったレンガ色で、足元は厚手の黒タイツにブーツは赤みが買った焦茶色。
そして、トートバッグは白寄りのライトグレー。
それぞれ単品では「お洒落な中間色」。だけど色のトーンがバラバラなため、全体がちぐはぐな印象になってしまっているようです。地味な色なのに、組み合わせるとなぜか色同士の差異が際立つような、それでいて全体に薄ぼんやりとして輪郭が描けないような、居心地の悪さを感じる残念なコーディネートに…。
10月にはNHKの朝の情報番組でも「秋の地味色コーデ」なんていう特集をやっていましたし、私も「地味色」を組み合わせるワンパターンコーデが大好きです▽
だけど、「地味色」こそ手持ちのワードローブとの相性を吟味せず適当に選ぶのは危険なのだなあ…。「無難にベージュ」「無難にグレー」「無難に茶色」を無計画にクローゼットに取り入れて、無計画に組み合わせていくと、地味色同士の統率が取れずにとっ散らかった印象が出来上がってしまう不思議。
地味色を選ぶときは特に、「トーン」を意識してクローゼット全体で調和が取れる形で買い揃えていかないとダメなんだよなあ…
と、ここまで読まれて「ドーナツを食べながら他人の装いに好き勝手に難癖をつけているお前は一体、何様のつもりなんだい!」と憤慨される方もおられるでしょう。
だがしかしちょっと待ってください。私だって地味色ではたくさん失敗を経験してきておりますのです▽
そして、私は決して「地味色を上手に組み合わせているお洒落なマダム」を目指しているのではないのです。私が目指すのは、「安心安全な普通の人」なのです。そのために、他者から「なんか、変」と思われない装いを意識したいと強く願っている次第▽
地味色の多いクローゼット所有者の一人として、心の褌を締め直すきっかけとなった「地味色コーデの失敗例」との遭遇でした。
地味色を愛するものとして、適当な地味色コーデは地雷原と心に刻みたいと思います。
明日も愉快な人生を〜