モノを手に入れることによりも、愉快で心地よく美しい体験に、お金と時間を費やしたい。混とんとした世の中のなかで、愉快で美しく奇妙で懐の深いアートに身をひたす時間は、手放したくない。
地元で開かれている「大地の芸術祭」。
時間が止まったような不思議な感覚を味わえる場所。
こころをぴかぴか照らしてくれるような、時間と体験。
「モノ」を手に入れるより、形のない、でも体の奥に染み込むような、価値観を揺さぶるような体験。
非常時にあっては「不要不急」に位置付けられてしまいかねないアート。
机や地球儀や床や、そこらじゅうが「黒板」になっている教室。チョークのかけらが1個10円で販売されていて、来場者が自由に描くことができる。イラストでもメッセージでも数式でも。
「無駄」で「不要不急」の物事こそが、なんてことない日々を美しく素敵なものにしてくれる。あれやこれやと持ち物を増やすより、消えることのない体験を、体に染み込ませよう。
「体験」への、投資。
部屋をモノで埋め尽くすよりも、贅沢で豊かな時間を得ていきたい。