普段、ほとんどノータッチで過ごしているはてなブログの「お題」ですが、
今週のお題「読んでよかった・書いてよかった2024」に参加してみようと思います。
というのも現在は旅先なのですが、朝ごはんのバタートーストに載っていたバターがとても良い感じに「贅沢なかたまり」だったから。
トーストの表面に申し訳程度にうっすら塗り伸ばすのではなく、しっかりきっちりと四角い「かたまり」である点が大変に高評価です。
油断して齧ったら熱々のパンに染み込んだバターが顎にまで滴り落ちてきて大変でした。
バタートーストを頬張る際は集中力が大切です。
これが【今週のお題「読んでよかった・書いてよかった2024」】といかに関係するのかといえば、ことし9月にバターを偏愛する江國香織さんのエッセイ「贅沢なかたまり」を紹介していました▽
「バターをかたまりでいただく」という幸福を教えてくれる一遍です。
子供のころ、家族でレストランにいくとき、私のいちばんの楽しみはバターだった。銀色の器にうやうやしく並んだ、まるいバター。私はそれを、バタナイフにつきさしてそのまま食べた(略)あのバターは、私の身体をつくったと思う。人は、その人がそれまでに食べてきたものでできている。
(贅沢なかたまり/角川文庫「泣く大人」17頁より引用)
バターといえば、柚木麻子さんの小説「BUTTER(バター)」も絶品ですね。
有名な「連続婚活殺人事件」の木嶋佳苗被告をモデルにした長編です。
ここに出てくる「バター醤油かけご飯」の描写が美味しそうすぎて秀逸です。
読んだらもれなく炊き立てご飯3合をバター醤油かけご飯にして一気にかき込む羽目になるでしょう。
人生の勝敗があるとすれば美味しいバターの摂取量で決まるんじゃないでしょうか。
バターを前にしたらカロリーなどという貧弱な考えはさっさと捨てて、きちんと贅沢なかたまりをいただくのが作法かもしれません。
来年も美味しいバターをたくさん食べようと決意を込める師走の朝です。