日曜日が仕事だったので、本日の月曜日は代休。雪が降りしきるなか、歯医者とトンカツ屋(ランチ)と書店、デパートをはしご。
ゆたたんの住むまちは日本海側のとある地方都市でして、市内に百貨店はひとつしかありません。人口減がてきめんに進んでいます。
そんなまちの唯一の百貨店「デパートB」。ゆたたんはここで昨秋、ニットを2着、色違いで購入したのですよ。1着1万5000円くらいだったので、2着で約3万円。
けっこう奮発しましたが、ウイルス禍で「お出かけ用の服」を購入する機会がここ1年めっきり減っていたので、せっかくなら家でちょっと素敵な服を着て気分よく過ごしたいなあと思って。季節のはじめに、「定価」で買ったわけですよ。
モフモフしてて柔らかくて非常に気に入っており、今冬は年末年始も含め、休日はほぼこの2着だけで過ごしています。細かい毛がひどく抜けてコートに付着するのが困りものだけど…。着るたびにコロコロで手入れするのも楽しいひとときさ。
もちろん、今日も2着のうち1着を身に着けてました。
それがさ。今日、「デパートB」に行ったらさ。時節柄、どこのショップも絶賛セール中なわけです。ウイルス禍で洋服が売れないせいもあるのかもしれないが、ものすごい値引き率。
見ちゃいけない・・・見ないほうがいい・・・と、思いつつ、ゆたたんはこの2着を買った店をチラと覗いてしまったのよね。「怖いもの見たさ」の心理も、ちょっとあるよね。想像していたけれどもさ。「30%オフ」で、売られていたよね。「今まさに、わたしが着ていて、季節のはじめに定価で買ったセーター」が。
なんだかね。服には全く罪はないのだけれどね。なんだかね。
私が支払った「定価」のなかには、セールで値引きされた「30%」ぶんのいくらかが、上乗せされているわけだよね。
この、「定価で買った消費者が損する仕組み」に対して疑問を感じる、今日このごろ。
デパート内を見渡せば、あの店もこの店も、30%引き、50%引きで洋服を売っている。アパレル業界も利益を出さねばならないわけだから、これだけ値下げして売っても、ある程度の儲けが見込めるということでしょう。
とすると、そもそも「洋服の価格」って、何なのでしょう。店頭に「NEW ARRIVAL(新着)」として並んだ数か月後には、がくっと値下げされてしまう。アパレルは次々に新しいモノを投入して、私たち消費者は、それを次々に消費して。ワンシーズンで「古いモノ」になってしまう洋服たち。それって悲しい。服が好きだからこそ、悲しい。
私は、本当に自分にとって「価値がある」と思えるモノを、「適正な価格」で買いたいと思う。「3割引きになっていて、お得」だから買うのではなく、「定価の価値がある」と思える1着を買いたいと思うし、そんなふうに消費者に誇りを持たせてくれるブランドの服を、ぜひ着たいと思う。
「定価で買った服」が、数か月後に「30%引き」になって並んでいるさまを、見たくはないよ。(だったら店に立ち寄るなって話ですが)。
でもね。セール会場で、ずらりと並んだ値引きされた洋服の大群を眺めていたら、はっきりと「供給過剰」を感じたよ。
求められる以上に作られて、溢れて、捨てられる、もしくは買ったままほとんど着られることなくクローゼットの奥に押し込まれる、服、服、服。
とびきり高級なハイブランドじゃなくても、普通の消費者が「適正な価格」で購入することができる、「軸のある洋服屋さん」で、服を買いたい。その洋服の価値に誇りを持っていて、適正な「定価」で消費者に提供する、
そんな「軸のある」、そしてむやみに「値下げしない」洋服屋さんの服がほしい。
と、切に願った月曜日の午後でした。