ウイルス禍によるマスク生活で、化粧はどんどん、簡素化しておりまして。
ファンデも、口紅も、チークも手放してしまい、いまはクレンジング剤不要で洗顔のみで落とせる「石けんオフメイク」にはまっている私です。
ちなみに口紅を手放したのは8月末
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石けんオフへの切り替えを始めたのが昨年の秋。
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チークとコンシーラーは年末に手放しました。
以前に増してすっからかんになった化粧ボックスの中に、きらめく2本。それでも手放さない、グロス2本。
エトヴォスのミネラルプランパーディープ「ベイクドマロン」
外出時はマスク着用なので、唇には保湿用の軟膏(皮膚科処方の透明なやつ)しか塗りません。この色付きグロスを塗るのは休日、それも家のなかで過ごす日のみ。平日はほぼ、出番のない2本のグロス。
それでも、私はこの2本は手放さないだろうな、と思う。
以前(マスク生活になる前)と比べると、ぐっと登場回数が減ってしまったメーク用品。「マスクの下」に隠れる部分に使う口紅やチークは、なくても困らないモノになってしまった。
それでも。
家の中で、赤やピンクのリップを塗ること。
鏡をのぞかない限りは見えない自分の唇に、色付きのグロスを塗ること。
「不要不急」の極み、かつ、まごうことなき「自己満足」。
でもさ。メークって、他者のためだけに施すものでは、ないものだよね。
家の中でつやつやと唇を光らせていること、自分には見えない唇にピンクや赤の鮮やかな色をのせること。
こういう、生命の維持においては「全く無駄なこと」が、たまらなくいとおしくて楽しい。
そして、自分を取り巻く世界や社会がどんなに混とんとして先が見えなかろうと、家のなかで「無駄なことを楽しめている私」を自覚することは、心を健やかに保つために有効な営みだと思う。
「無駄」は余裕。そして、健やかさ。
無駄かつ楽しい「自己満足」は、他者に優しくあるためにも有効だと思う。
余裕を失った状態では、人は人に対して攻撃的になりがちだから。
「無駄」が生む効用を最大限に生かして、心を健やかに保つこと。
家の中でリップを塗る理由は、これ。
「自己満足」上等。家の中で、つやつやに赤リップを塗ろう。春に咲くチューリップみたいな華やかなピンクで唇を彩ろう。
こころを健やかに保っていよう。自分の不満と不安を、他者への攻撃という形で発散しないために。せっかく生まれてきたのだから、愉快で素敵な日を一日でも多くしよう。
「新規感染者」が何千人と発表されようとも。
48時間の積雪量が何メートルと発表されようとも。
家の中でだけは、唇に好きな色のグロスを塗っていよう。