いらっしゃいませ〜。収納しない系お片付けブロガーの優多(ゆた)です。
師走も早いもので半ば。今年1年を振り返ったり来年の目標を立てたりする方も多い時期かと思います。まっさらなノートに「来年の目標」を書き込む前に、ぜひ読んでほしい1冊を紹介します。
ビジネス書作家・木暮太一さんの著書「すごい言語化 -『伝わる言葉』が一瞬でみつかる方法」(ダイヤモンド)
ビジネス書ですが、日々の「片付け」に応用できるヒントがたくさん詰まっています。
著者の木暮さんは、作家のほか出版社経営者や「言語化コンサルタント」の肩書を持ち、さまざまなビジネスの場面で「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況を多数目撃したとのこと。伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続け、企業経営者向けのビジネス言語化や出版コンテンツの言語化コンサルティングなども手がける「言語化のプロ」です。
本書は「言いたいことがあるのに、言葉が出てこない」「話しているうちに、何が言いたいか見失う」といった悩みを解決する、考え方とフォーマット(型)の解説書です。
「言語化」とは、「自分の頭の中にあるものを、言葉に置き換えて、『誰か』に理解してもらうこと」(「序章」31頁より)。
著者は「言語化の最終ゴール」を「自分が頭の中で描いているものと同じものを描けるような言葉にすること」と定めています。人間は、自分の意識の95%は自分で認識できずに「なんとなくそう思う」レベルになってしまっている(=自分の感覚の95%しか認識していない)そう。
著者は以下のように提起します。
言語化能力を身につけることができれば、あなたが持っているものの残り95%を相手に伝えることができます。今のあなたのままで、今の会社組織のままで、今の商品のままで、あなたの人生は「確実に」豊かになります
(「すごい言語化」10頁より引用)
本書はビジネス書なので、組織における目標達成やマネジメント、プレゼンテーションスキル、商品企画など仕事の場面を想定した語り口になっています。
ですが、「目標達成のための言語化」を考えた時、「片付け」に応用できる要素がたくさんあると感じました。
「お片付けブロガー」として特に刺さったのは、「幸せになりたい」と言っている人は、幸せになれない(188頁)という見出し。
「幸せになりたい」と漠然とつぶやくだけで、そもそも「幸せとは何か?」を自分で理解していなければ、欲しいものを手にいれることはできません。
この見出しにある「幸せになりたい」を、「片付けたい」に置き換えても、同様のことが言えます。
欲しいものが手に入らない時は、言葉の定義から見直すのがいいと思っています。というより、成果が出ないのは、能力や知識が足りないのではなく、目指すゴールの定義が曖昧、もしくは間違っているからだとぼくは考えています
(第4章「すごい言語化で『意味がある言葉』を作る」191頁より引用)
「幸せを感じる状態」や「片付いた状態」の定義が、本来意図しているものと違っていたら、願っている状況が手に入らないのは当然のこと。
著者は「定義をすれば、やるべきことが見えてくる」と強調します。「何が正解・不正解ということではなく、大事なのは『なんとなくの表現』で終わらせないことです」とも。
「手に入れたい状態」を言語化することで、理想の姿に近づくために取るべきアクションが明確になり、実際の行動につながっていきます。
「片付けたい」と漠然と表現するのではなく、「片付いた状態」が何を指すのかを具体的に定義することがスタートです。
例えば、私にとっての「片付いた状態」を定義するなら…
「日々の掃除が10分以内に終わる状態」でしょうか。
トイレや浴室は、使用後にサッと拭いたり磨く程度。ルンバや食洗機で積極的に自動化する。そのためには持ち物を減らし、維持管理に手間のかかる複雑な収納術は使わず、持ち物の定位置を定めておくことが大事になります。一時的に散らかったとしても、そもそも持ち物が少なく収納方法がシンプルで、定位置が決まっていれば、短時間で「床にモノがない状況」(ルンバに掃除を任せられる状態)を作ることができます。
「定義」が決まれば、「いつ、どこで、誰が、何をする」といったアクションプランが立てやすくなります。同居する家族と「片付いた状態」の定義を共有することで、その状態を維持するための協力が得られやすくなります。
つまり、「目標達成」のためには、最初に「こうなりたい」を言語化することが大事。
本書では、定義の仕方や成果を上げるためのTo Doリスト(アクションプラン)の立て方、コミュニケーションの仕方など具体的な「言語化スキル」の磨き方が紹介されています。
「言語化するスキル」は武器になります。
この本を読んでから「来年の目標」を言語化すれば、きっと達成率が格段にアップするでしょう。師走にオススメの一冊です。
明日も愉快な人生を〜。