収納しないブログ

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科学を信じるミニマリストは「運のいい人」を目指す

「運が良い人」になりたい。健やかな40代を目指して30代ラストイヤーを過ごしている収納しない系お片付けブロガーの優多(ゆた)です。

ジュンク堂のベストセラー棚に鎮座していた、脳科学者・中野信子さんの著書「新版 科学がつきとめた『運のいい人』」サンマーク出版・税込1,650円)を読みました。

帯に書かれた「運は100%自分次第」との力強いコピーに惹かれました。

著者の中野信子さんは、脳や心理学をテーマに研究や執筆を行っている有名な脳科学者・医学博士です。「エレガントな毒の吐き方」や「脳の闇」、「サイコパス」などベストセラーを次々に出されています。

 

本書は「新版」とある通り、本書は2013年に単行本、2019年に文庫本で刊行された「科学がつきとめた『運のいい人』」を加筆、再編集したもの。単行本の刊行から10年経っていますが、近年の「脳科学ブーム」に乗って再び注目を集めています。

 

本書では、中野さんが脳科学者として科学的な見地から、「運のいい」考え方や行動パターンを習慣づける方法を紹介しています。

「運の良い人」になりたいミニマル派のアラフォー女性が、特に気になった部分を紹介します。

 

①運のいい人は自分なりの「しあわせのものさし」をもつ

運のいい人は、必ず自分なりの「幸せの価値基準」を持っているそうです。

このとき気をつけるべきなのは、他人の尺度でなく自分の尺度でしあわせ感を測ること。一般的な価値観や他人の意見に惑わされず、自分の価値観で自分なりのしあわせを把握することが重要です。

(第1章「運のいい人は世界の中心に自分をすえる」40頁より引用)

運のいい人は、他人がどう思うかではなく、自分の尺度で「心地よい」「気持ち良い」と思える行動をし、さらにそう思える状態を積極的に作り出す努力をします。そして、そういう人は、常に脳の報酬系(快感を生む回路)を刺激していることになるそう。

それが自己一致の状態(自分で自分のことが好きな状態)につながり、周囲の人を惹きつけ、周囲の人から好かれるという好循環が生まれるそう。

「自分の物差し」を持つことは、あらゆることの「基盤」になるのだと改めて感じました。住む場所、家族のあり方、ライフスタイル、仕事、服装、趣味、友人との付き合い方、お金の使い方、そして「片付け(モノの持ち方)」も、他人の軸ではなく「自分自身が心地よいかどうか」を最優先することがめちゃ大事ということですね。

 

②運のいい人はあえてリスクのある道を選ぶ

人生は選択の連続。「どっちの道を行くか?」で迷った時は、あえてリスクのありそうな道を選ぶというのも良い方法の一つだと著者は提案します。理由は、リスクのある道を選んだほうが、脳が喜ぶ傾向にあるからだそう。

人間の脳が何の刺激もない状態より、リスクのある方を好むから。心理学でいう「強化学習」を自分に応用するのです。ちょっとリスクのあるほうが脳の報酬系が活発に働くのです。(中略)安心・安全な道より、ちょっと冒険の道を選んでみる。そのほうが夢中になれるし、脳が喜んで、結果もよいものになる確率が上がるのです。

(第2章「運のいい人は『自分が運がいい』と決め込む」108頁より引用)

慣れ親しんだ場所で安定を維持する方が心穏やかに生きられそうだと思っていたけれど、脳科学から見ると逆のようです。

アラフォー世代は、仕事である程度のキャリアを積み、どうにかすると安定的なラインで「落ち着きたくなる」お年頃。だけど、あえて背伸びをしないと届かなそうな目標やチャレンジが必要な道を選ぶことが「運の良さ」につながるとは。喝を入れられた気分です。

「運の良さ」を手に入れるために、怠けたくなる気持ちを奮い立たせて「リスク」を取っていこう…いきたい…いければいいな…

 

③運のいい人はひとり勝ちしようとしない

厳しい世界で生き残るためには、他者への思いやりを持ちつつ勝ち続けることが必要です。自分さえ良ければいいと考えるのではなく、互いを思いやり、協力して生き延びようとする社会生が必要です。そのために、著者は「勝ち過ぎないことが大事」だと強調します。

ある時代にひとり勝ちした、頂点を極めた国や企業というのは必ず滅びています。勝ちすぎると、勝ち続けることができないのです。そこで勝ちすぎない、ひとり勝ちしない道を選ぶのです。(中略)まわりとうまく共存できる道を探る。このほうが結果的に、長く生き延びることができるのです。

(第3章「運のいい人は他人と『共に生きること』をめざす」118〜119頁より引用)

例えば、仕事の場面では取引先、顧客、上司、後輩、他部署の同僚など様々な利害関係者がいます。こちらの要求を一方的に通すだけでは、仕事は円滑に回りません。ある条件の下で一人勝ちの状態を作ってしまうと、環境が変わった時に適応できず「危機的な状態」に転落してしまいます。移り変わりの激しい世の中。「自分だけが得をする」のではなく、協調路線を目指すことが、長期的に見て幸せな結果につながるのだと納得しました。

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本書には、「運の良さ」にまつわる世界の偉人や有名経営者たちのエピソードが多く紹介されています。中でも「まえがき」にある、松下電気器具製作所(パナソニックの前身)創業者・松下幸之助さんの逸話が印象的でした。松下氏は採用試験の最後に必ず、「君は運がいいか?」と質問したそうです。そして、「はい。運がいいです」と答えた人のみ採用したのだとか。

自分を「運がいい」と思っている人は逆境に強く、少しのことで諦めない。「自分は運がいいので絶対大丈夫」と自分を信じているからだそう。

「運の良さ」は生まれつきや単なる偶然ではなく、「考え方と行動パターンによって変わるもの」、そして「コントロールできるもの」だということを示すエピソードです。

 

「運を引き寄せる脳」をつくって、心地よく、周囲と協調しながら暮らしていけたらいいね。

中野信子さんの著書「新版 科学がつきとめた『運のいい人』」、「何だか最近ついてないな〜」と落ち込みがちな方におすすめの1冊です。

 

今日も愉快な人生を〜。