アート鑑賞はお金がかからす家も散らからない、ミニマル派に適した娯楽のひとつだと思う。収納しない系お片付けブロガーの優多(ゆた)です。
喫茶店のアイスコーヒーが肌寒く感じる気候になりました…。
会社の近くにあるホールで「いけばな」の作品展が開かれていたので、お昼休みに立ち寄ってきました。
作品展や美術展に足を運ぶときは、「会場に並んだ作品群の中で、一番好きだと感じるひとつを探す」という方法で鑑賞することが多いです。
全部の作品を満遍なく眺めて歩くよりも、その企画展の印象を心に留めることができるからです。
「一番心が惹かれる作品を見つけよう」と決めて、まず会場をさーっと回って全体を眺め、「これは」と思う作品をピックアップしておきます。特に心惹かれる作品が複数あった場合にも、あえて「一番」を選びます。そして、二巡目で「一番」に選んだ作品の前に戻り、10分くらいじっくり鑑賞します。
作品を眺めながら、作り手の意図を探りながら表現を味わいます。
同時に「今、自分がこの作品に惹かれる理由はどこにあるのだろう?」と考えます。
今回の「いけばな展」で私が選んだ「一番」は、小舟をかたどった木製の器に、行李柳(コウリヤナギ)と小菊を生けた作品。上に向かってすっと伸びた柳の枝、そして柳の根本を支えるように2本の小菊が寄り添っていました。
この作品は、赤や白、オレンジといった鮮やかな色彩のあるほかの生花と比べて、少し「寂しさ」や「孤高さ」を感じるものでした。
ここのところ「なんとなく落ち込む」「なんとなくだるい」といった一時的な心身の不調を抱えていた自分自身を、この作品に投影して見ているのかな、とか。
見えない未来に向かって小さな舟で漕ぎ出すような「不安感」が、今の自分自身の状況と重なるからかな、とか。
孤独や寂しさも感じるけれど、すっと背筋を伸ばすように伸びた柳の枝と、その柳に寄り添うように咲いている花があることへの「希望」、とか。
こんな風に、「一番心惹かれる作品」を決めてじっくり鑑賞することは、自分自身の内面と向き合うことにつながります。
限られた時間で展覧会を回る必要がある場合にもオススメの鑑賞方です。
メリハリつけてこ!
実は、この「一番を探す方式」は、娘たちが幼かったときに始めた鑑賞法です。
アートを見に行きたい、けれど就学前の子供たちは飽きてしまって、静かにゆっくり会場を回ることは難しい。そこで、親子で「みんながそれぞれ、一番好きな絵を探すゲーム」として年に数回、美術展に足を運んでいました。
会場をさーっと歩き、そのあとでみんなの「一番」にそれぞれ戻って、その理由を小さな声で発表し合う、という遊び感覚の鑑賞法でした。小さな子供たちと一緒に、つたないながらも「好きな理由」を言語化して教え合うことで、それぞれの好みや視点の違いを感じることができて面白かったです。
「会場内で一番を探す」方式の鑑賞法、おすすめです。
明日も愉快な人生を〜。