週末、娘と一緒に本屋さんへ行ってきました。店頭では、まだ夏の文庫フェアをやっていた。読んでみたいと思っていた小説があったので、新潮文庫コーナから1冊を手に取ってレジへ。
お会計を済ませた後、店員さんがレジ下から、おもむろに何かを取り出した。
手のひらに乗る程度の、小さな「うちわ」が、4枚。
(店員さん)
「文庫をお買い上げの方にノベルティを差し上げています。お好きな栞(しおり)を一つ、お選びください」
どうやら、うちわではなく「うちわ型の栞」だったようです。
文庫のオリジナルキャラクターが印刷されていて、けっこう、かわいい。
つい、その中の一枚を選びそうになる。
…けれども。
(私)
「ありがとうございます。でも、要りません」
と、丁寧にお断りする。
無料で渡される「粗品」や「ノベルティ」の類は、基本的に受け取らない。家に持ち込まない。
それがどんなに小さく、軽く、ささいな品物だとしても、それは自分自身が心から「必要だ」と考えて対価を払って手に入れたモノではない。
つまり、対価を払ってまで手に入れる価値のあるモノではない。
近い将来、ごみになる可能性がきわめて高い、大して欲しくもなく、必要でもないモノ。
意識的に、受け取らない習慣を身に付けることが大切だと思う。
実際、こうした「粗品」「ノベルティ」って、商品をたくさん売りたいメーカー側(本の場合は出版社)にとっては、販促ツールとして効果的なのかな?
「うちわ型の栞、どうしても、ほしい! よっし、本、買おう!!」ってなる消費者は、どれだけいるのかな?
世の中は、「持続可能な社会」を求めている。ごみを減らし、環境に負荷をかけない社会経済活動を目指す方向に、確実にシフトしている。
無料でくっついてくるオマケを目的に本を買う、という消費行動をする人が、果たしてどれくらいいるのか。
…と、そんなことを考えながらメルカリを検索してみたら、
件の栞うちわが3枚300円とかで出品されていた。ノベルティでタダで貰ったものを出品して売ることができれば、ちょっとした小遣い稼ぎになる…のか??
出品する手間、梱包する手間、発送する手間を考えると、費用対効果のほどは、果たして…。膨大な時間を投入して、利益は一体、おいくらほど?
と、こんなことばかり考えている私は、潔く「粗品は全面的に受け取りを拒否する」暮らしを貫くのが最善の策なのかもしれない。
そんなこんなで更けゆく、木曜の夜。
どんな小さな食器も、コップも、それらを拭くための布巾も。
販売促進の目的でメーカー側から「無料で」渡される粗品を断ること。
「自分で選んだ」と誇りを持てる、心から愛せるモノだけを、身の回りに置くこと。
快適なまいにちは、そこから始まると思うから。
そして、そこからしか、始まらないと思うから。