収納しないブログ

持ち物を減らして収納術不要の暮らしを目指す、ミニマル志向の30代。

本が好き。だから、読まない~スロー・リーディング元年~

2013年に刊行された、作家・林真理子さんのベストセラー「野心のすすめ」(講談社現代新書)。

Amazonの内容紹介には「全敗した就職試験、どん底を経ての鮮烈なデビュー、その後のバッシングを振り返り、野心まる出しだった過去の自分に少し赤面しながらも、”低め安定”の世の中にあえて『野心』の必要性を説く」とあります。

が、

刊行当時、私が赤のサインペンで太く太く線を引っ張った箇所は以下!

読書って、ひとりでやっていて惨めに見えない、数少ない趣味でもあります。本を読む楽しみを知っているのと知らないのとでは、ひとりで過ごす時間の充実度が違ってくる。人が電車の中で携帯メールを打っている姿と、文庫本を読んでいる姿では、圧倒的に後者のほうが素敵ではありませんか。

激しく同感なのです!

林さんは「妄想力が野心のバネになる」として、健全な妄想力を鍛えるための手段として、本を読むことを勧めていらっしゃる。

辛い時には、空想の中で遊んだり、物語の世界に逃げ込むことだってできる。

そうそう! 田舎で育ったゆたたんにとっても、本は見たこともないワクワクする世界に連れて行ってくれる、まさに「友達」でした。

 

で…本好きのミニマリストにとって悩みの種は「増え続ける蔵書」ですよね。

定期的に手放すようにはしてきたものの、

小学生の子供たちの本や図鑑などが増えてきたこともあり

ゆたたん本棚の容量が、限界に近づいてきておりました。

そんなとき、本棚に並ぶ小説の背表紙に目を走らせながら、ふと思いました。

「家にある数百冊の本のうちで、ストーリーをちゃんと覚えているものって、一体どれくらい…?」

正直、1割もない…どころか、直近に読んだ数冊くらいなものなのでは!?

本だって、自分が選んでお金を出して手に入れた「持ち物」です。

中身をぼんやりとしか思い出せない…

そんな読み方しかしていないというのは、「持ち物ときちんと向き合っていない」ということになるのでは…?

子供のころ、お小遣いを握りしめて買った本は、登場人物のせりふを暗記するくらい、何度も何度も読み返していたというのに。

1冊の本に対する、今のこの「あっさり感」は、なんだろう!?

 

そんな時に、本屋で手に取ったのが、この本

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作家・平野啓一郎さんの「本の読み方」(PHP文庫)

副題には「スロー・リーディングの実践」とあります。

2006年刊行の作品に加筆・修正した新書版を文庫にしたものとのことです。

 

全編通して

「量」の読書から「質」の読書へ とのテーマで展開していきます。

まさに、ゆたたんに今、必要なのは、この読み方なのだ! と膝を打ったのであります。

裏表紙の内容紹介より

情報が氾濫している現代社会だからこそ、著者は「スロー・リーディング」を提唱する。「量」より「質」を重視した読書体験は、5年後、10年後にも役立つ教養を授け、人生を豊かにしてくれるだろう。夏目漱石森鴎外フランツ・カフカ川端康成三島由紀夫など不朽の名作から自作の「葬送」まで、深く理解することが可能になる、知的で実践的な読み方を紹介する。

 

スロー・リーディングとは何ぞや?

著者の平野啓一郎さんは、

「一冊の本にできるだけ時間をかけ、ゆっくりと読むこと」と定義しています。

まあ、ある意味そのままですよね。

そして「一冊の本を、価値あるものにするかどうかは、読み方次第」と書いています。

スロー・リーディングは、この意味で「得をする読書、損をしない読書」なのだといいます。

また、スロー・リーディングと対極にあるものとして、

できるだけたくさんの本を早く読むことを目的とした「速読」については、

「速読のあとに残るのは、単に読んだという事実だけ」と、かなり厳しめに指摘しています。

う~ん…。本棚の本のストーリーをほとんど思い出せない私を含め、耳が痛いなあと感じる「読書家」の人も多いのではないでしょうか。

 

スロー・リーディングの効用

詳しくは著書を読んでいただくとして、ゆたたんが個人的に心に刺さったフレーズを箇条書きにして紹介したいと思います。

  • 一冊の本をじっくりと時間をかけて読めば、実は、10冊分、20冊分の本を読んだのと同じ手応えが得られる。
  • 「遅読」こそ「知読」…「読まなければいけない」という焦りは、読書を貧しくするだけである。
  • 再読にこそ価値がある…その同じ本を、数年経ってふと読み返してみると、どういうわけか、非常に面白いということがよくある。
  • 一冊の本とのつきあいは、決して一期一会ではなく、もっとずっと長いものである。
  • 自分にとって本当に大切な本を、5年後、10年後、と折に触れて読み返してみる。その印象の変化を通じて、私たちは自分自身の成長のあとを実感するだろう。

…以上の熱いフレーズを胸に、読書における私的な目標を以下にまとめてみました。

 

本が好き。だから、「読まない」!?

「量」より「質」の読書を実践してみたいと思います。

そのためには、興味をひかれた新しい本を次々に買って乱読していくスタイルを、一時封印したいと思います。

今年は、新しい本を「読まない」!!(いや、ちょっとは読みますが…)

本棚に5年、10年と並べたまま開くことのなかった本の「再読」をしてみようと思います。

平野さんのいうように、「自分自身の成長のあと」を実感できるのでしょーか?

どーなのでしょうか?

ちょっと…かなりワクワクする取り組みです。

と、いうわけで今年はミニマリスト的「スロー・リーディング元年」!

たくさんは読みません。

奥へ奥へ、深く濃密な読書を楽しみたいと思っています。