「シンプル」とか「無駄がない」っていう状態は、「素気ない」とは似て非なるものだよね。
そんなことを、出張ついでに立ち寄った、山の麓の蕎麦屋さんでしみじみ感じたよ。
お蕎麦を注文したら、「突き出し」で漬物が出てきたのです。
お花?とおもったら、赤かぶ。
花を生けるみたいに漬物を盛っている。余白が美しや。
辛味大根のお蕎麦も、シンプルな出立ちでやってきた。美味。
飾り立てないところがいいわ。
山菜3点盛り、大中小の皿が一つの盆に載せられて。
無駄なトッピングや派手な盛り付けはしていないのに、お店の「軸」を、ちゃんと感じた。
「シンプルライフ」で目指すべきは、こういう状態なのかも。無駄なものは持たない、増やさない。でも、しっかり芯が通っていて、唯一無二で美しい。
洋服だって、黒い無地のカットソーが、絶妙なカッティングで腕を細く見せてくれることがある。
派手な装飾よりもブランドのロゴよりも、着る人を引き立てる技術。
「シンプルで美しい」の極意を、山麓の蕎麦屋さんでしみじみと感じた梅雨の一日。
蕎麦のつけ汁は煮干しのだしで、香りを楽しみながら美味しくいただきました。