靴は、消耗品だと思っている。
普段使いのパンプスの「寿命」は、
早ければ半年、長くても1年。
晴れの日も雨の日も気兼ねなく履ける「晴雨兼用」のパンプスを、
常時2、3足で回していて、
色はベージュ、グレー、黒の3色が基本。
ヒールは5センチ、もしくはフラット。
日々の手入れは普通にしていても、たくさんはいて、たくさん歩けば、
傷みもやってくる。
晴雨兼用のパンプスは、素材でいえばエナメル。
表面が剥げたり傷が付いたりしたら、修復は難しい。
だから大切に使いつつも、見た目に傷みが目立ってきたら、
潔く手放していく。
学生時代、アルバイトしていた店のマダムに、
「先端に気を配りなさい」と言われたことを、今も心に留めている。
私が職場ではいていた、つま先の汚れた布製のパンプスを見とがめての苦言だった。
マダムの指す「先端」とは、
髪の毛先、指先(爪)、靴のつま先。
その「3点」がみすぼらしく見えたら、どんなに高価な洋服を着ていたって、
どんなにきちんとメイクアップしていたって、
全ては台無しになる。
逆にいえば、その「3点」にしっかり気を配っておけば、
シンプルな装いでも、薄付きのメイクでも、
しっかりと清潔感や誠実さを表現することができる。
それほど、「先端」というものが人に与える印象というのは大きい。
時間がないからこそ、ものごとの「先端」に気合いを入れる。
「先っぽ」というのは、大事。
まずは、靴のつま先から。
新品のパンプスの、整ったつま先は美しい。
古びる前に、入れ替える。
ちゃんと歩ける、美しい靴を。
わたしのために、快く毎日を過ごすために。